タロム完全版の大いなるネタバレ&感想

前置き尺稼ぎ

ほぼネタバレです!自分で見るときまで感動を取っておきたい!という方は読まないことをおすすめします。

 Twitterでいろいろ言っちゃいましたが、改めて分かりやすく(?)整理して書いておきたいと思います。

こういう記事を書くのは初めてなので読みづらいかもしれませんが、頑張ってください。初めてなんだ、あのBlu-rayが面白かったから(万引き少年)

 大変なことが起きました。失われた、というかてっきりもともと企画段階でポシャって存在しないものだと思っていた長尺版スーパータロムが実在しました。
 メニュー画面からスーパータロムを選んだとき、マッタク知らないシーンから始まって「えぇ〜超高かったのに収録ミスってるじゃん💢」って思ったレベルでした。(クソ失礼)
 長さは20分32秒と、これまで出回っていた約10分のものに比べ、2倍もあります。そしてめちゃくちゃ高画質です。(アキラは全体が灰色がかっててちょっと残念でした)

大まかな流れ(ファスト漫画)

!!以下、ざっと全体の流れをさらいますのでネタバレ注意です!!

 ストーリーはまず、導入としてノストラダムスの大予言から始まります。彼がナポレオンやヒトラーの登場を予言していたことが紹介され、ICHI(旧ナック)が公式Instagramで上げていたスーパータロムの初期資料にナポレオンやヒトラーの名前が出ていたのはこれだったのか!!と納得。1999年に巨大な火球によって地球が滅亡すると予言しているという恐ろしいことが明かされます。タロム制作当時はかなりの人がこの世紀末の予言を信じてたんだろうな~って感じですね。結局何も起こらなかったけど

 そしてあのOPに入ります。微妙に前奏が長くなってます。(アニメの王国版はどんなカットを施したんだよ)OPに関してはそれ以外の相違はないと思います。多分。
 
 本編が始まるとまずは堤防沿いの町の夜のシーンになります。とある一家が就寝中、波が堤防を越えて入ってきて、家が揺れます。一家の主が外に出てみると、そこにはあのカイザー様が操っていたピンクのもやもやが!!!
 続いて海底調査のシーンに切り替わります。そこでもまたあのピンクのもやもやに遭遇します。なぜか堤防のシーンでもこのシーンでもピンクのもやもやは共通して「海坊主」と呼ばれています。
 
 ところ変わって科学技術庁。チャー研の学校みたいな、大阪万博のソ連館みたいな形の建物です。ここで日暮里博士登場。あの記者(んふぅのやり取りをする人)が走ってきて日暮里博士と名前を呼びます。カット版では一切呼ばれなかった名前がここで正式に判明しました。(まんが版では日暮里博士と書いてあった) 博士も「社会部の君が…」と返しているので、んふぅの記者と日暮里博士とは物語開始以前から面識があったみたいですね。ここで前述の水辺の異変を調査するために、海底調査のロボットを作ることに決まったことが明かされます。これらのシーンは割と大事なシーンだと思うんですが…。

 日暮里博士が帰宅し、家のシーン。Z団のアジトみたいな豪邸に住んでます。奥さんが手紙を持ってきて、それを見た博士は突然八丈島へ旅に出ることにします。奥さんとのやり取りで、日暮里博士が亭主関白っぽいのが時代を感じます。
 
 八丈島はなぜか無人島になっていてそこに西沢博士がただ一人で住んでいます。漁師たちすらそのことを知らないようです。洞穴からぼろぼろになった西沢博士(ほんとに神(59歳)みたいになってます)が登場し、数十年ぶりに二人は再会を果たします。つい最近は…岩に隠れとったのか?
 ここであの積水ハウスの曲が流れて、ともに夕陽を見ながらかつてのことを語り合います。西沢博士と日暮里博士はかつて”サイボーグ”研究を競いあった仲と明かされます。研究に疲れた際いつも一緒に夕陽を見ていたそうです。

 そして、西沢博士が八丈島に閉じこもってしまった衝撃の理由が…。新婚旅行でやってきた八丈島で、博士は新妻のゆきこさんを後ろに乗せてバイクで海沿いの崖を飛ばしています。西沢博士、若いときはスピード狂だったんですね。ふと海を見るとそこにはあのピンクのもやもやが!一瞬よそ見をしたためにバイクは転倒。2人は海へ投げ出され、ゆきこさんは帰らぬ人となってしまいます。これをきっかけに西沢博士は誰にも知られずに生きることにしたようです。しかしガンを患ってしまい、先が長くないと分かり、日暮里博士に頼みたいことがあって急遽手紙を出したようです。無人島からどうやって手紙を出したんだ…

 そして洞穴の中の研究室へ日暮里博士を招きます。ここで、タロム、ルビー、ファイターがお披露目されます。ファイターは初期の試作品のような扱いだったようです。予算不足ではなく、技術不足だったんですね。というかむしろ無人島でどうやって資金調達をしていたんだろう…。そしてルビーは亡くなったゆきこさんに顔を寄せて作ったようです。タロムは「スーパータロム」と紹介されます。3人の内で一番強く、地球のために力を入れて作ったようです。西沢博士はノストラダムスの予言を信じていて、地球を滅亡から守りたいと伝えます。ここで時代が1999年まであと何年もない時代であると言及されます。チャー研と同じくらいの時代だと思っていたら…。そして、西沢博士が生命をサイボーグたちに与えることになります。スーパータロムには正義、ルビーには愛を、ファイターには闘志を西沢博士の体から分け与えるというあの設定が西沢博士の口から語られます。

 そして、カット版タロムの初めのシーンへ繋がります。ここまで約9分。前半はがっつり削った感じですね。このシーン、よく見ると西沢博士の服の袖のところがぼろぼろになっていて、ニコニコとかを見た感じだと誰もコメントしていませんが、「完全版の存在」の大いなるヒントとなっていました。
 ただ、微妙に違うシーンもあります、西沢博士に電流が流れる際、アニメのよくある演出のように一瞬西沢博士の骨が見えます。なぜカット版ではこのわずか数フレームだけが抜かれたのか謎ですね。ややショッキングだから? 

 そして「んふぅ」のシーン。ようやくんふうの謎が解けました。んふぅ直後に日暮里家のシーンへ。一気に3人も子供ができててんやわんやの日常の様子が描かれます。このシーン、すごく面白いのでぜひ購入して見てもらいたい!!!

 ルビーはママの家事の手伝いをしています。そこへ泥だらけのファイターとタロムが帰宅。(いったいどこで遊んできたの!)ルビーが2人を風呂で洗ってあげます。といってもホースで水をかける洗車のような感じの洗い方です。
 ルビーがファイターを拭いてあげるときにファイターは首の穴からムシムシムシマンプクーっぽいデザインの虫を出します。それをみたルビーは卒倒し、伸びちゃったぞーとガンとゴンっぽいセリフがタロムから出ます。
 そしておやつシーン。ルビーはさっきのことで機嫌が悪そうですが、おいしいケーキを食べて機嫌もよくなります。ここでファイターの衝撃の食事事情が明らかになります。彼はまだ機械が完全でないために消化ができず、分解のみができるらしいです。ここではケーキをメリケン粉、砂糖、水、香料に分解しています。元素とかのレベルじゃないのかい!原材料レベルに分解する方が逆に難しそうだけど

 後のシーンはほとんどそのままです。「春の空ー!」のシーンのみ微妙な違いがあり、一度当てるのに失敗し、「タロムスロー」としっかり聞こえるように発音して、今度は命中させます。

総括

 すごかったですね、初めて見たときほんとに涙が出そうになりました。
 最後の夕陽のシーンなんか西沢博士と日暮里博士とのエピソードを聞くと、そういうことだったのかって感じですよね。あとは、初めての情報もいっぱいありましたね。
 作画に関してはカット版と同じシーンは見慣れてるためかチャー研っぽいなと思うのですが、今回本邦初公開のシーンはどちらかというとガンガーや月光仮面に近い感じの作画だなと感じました。脚本はアトムを下敷きにしているだけあって手塚治虫が幼稚園向けに描いた漫画のノリに似ている気がしました。
 MAD作者的にアツいのは何といってもタロムたちの日常シーンですね。カット版とは全く違う一面を垣間見ることができます。
 ちょっと気になったのはカイザー様の扱いですね。「撃てぇ!」からの自分で撃つところや「ひとまず退却だ」のあと二度と出てこないところは変更なしでした…残念。自分の予想では最後にカイザー様をルビーが許すシーンでルビーの”博愛”設定が回収されるのかな~と思ってました。(タロムの”正義”は全体通して、ファイターの”闘志”はカイザー号に突っ込みシーンで表現されてると解釈できるので) ただ、ゆきこさんの命を奪ったり(直接ではないが)、大洪水を起こしたりしているのを見ると、カイザー様が許されることはなさそうですね…。

〈追記〉ルビーの”博愛”表現は日常シーンでの献身的な姿勢。さらに虫の件で恨んでもいいはずのファイターを許し、最後に置いていかないという点で表現されているといえるとご指摘をいただきました。その通りだと思います。アニメの王国版のカットは物語のエッセンスは押さえられているとはいえ、そうした要素を全く感じられないのは残念だな、とますます思います。

 手に入れてない方もいるので、MAD素材としての使用は慎重に考えていきたいところですが、これから先のチャー研MADがこのタロム本編の登場でますます面白くなっていくことに期待したいですね。

おわり

 
 
 

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